「ベイツ・モーテル」通信 Vol.1

映画史に残る猟奇殺人鬼はこうして生まれた!
「ベイツ・モーテル」に見る『サイコ』への伏線

アルフレッド・ヒッチコック監督の傑作サスペンス『サイコ』の前日譚を描いた「ベイツ・モーテル」。17歳のノーマン少年は、いかにして猟奇殺人鬼へと変貌していくのだろうか…。
まず目を引くのが、舞台となる“ベイツ・モーテル”の不気味な佇まい。登場人物たちが劇中でスマホを操っているように、ドラマの時代設定は現代へと置き換えられているが、保存されていた『サイコ』のセットそのものと、忠実に復元したセットを合わせて使用しているため、一瞬にして『サイコ』の世界へと引き込まれるはず。そして、支配的な母・ノーマの溺愛ぶりが、ノーマンを倒錯した思考や性癖へといざなっていくさまもじっくりと描かれていく。
さらに「ベイツ・モーテル」には、『サイコ』へとつながる“伏線”が幾重にも張り巡らされてる。

【「ベイツ・モーテル」から『サイコ』へ繋がる伏線】
★ベイツ家に父親が“不在”である理由が明かされる。
★冒頭のノーマンの母・ノーマのシャワーシーンは、『サイコ』の有名な殺害シーンを想起させる。
★『サイコ』でも印象的だった、窓辺に立つ母の姿を外からとらえたショットが差し込まれる。
★『サイコ』に不気味な剥製が多数出てくるのは、ノーマンが同級生のエマの父親から剥製の作り方を教わったからだと判明する。

シャワールーム、窓際の母親、剥製といった『サイコ』の印象的なシーンや要素が、狂気と恐怖を感じさせると同時に、ファンを喜ばせる目配せとなっているのだ。あなたはいくつ伏線を発見できるだろうか?